『ようこそクズ工場へ』
ヨーロッパに浮かぶ島国『イブムニア』が舞台。
現代ファンタジーと恋愛、時々コメディが入り交じってる感じの作風だと思う。
クズ人間達が織り成す、自業自得の物語。
全員が等しく不幸になり、呪われ、壊れて、救われ、幸せになります。
物語は、ひとつの目的を持ち世界中を旅する青年・キースが、ある島国に招かれるところから始まる。
招いたのは、有名大企業副社長・クローバーと名乗る男。
クローバーいわく、キースの旅の目的、その鍵を握る人物を知っているというのだ。
キースの目的。それは幼少期に死別した養父の死の謎を知る事。
招かれるまま島国を訪れたキース。
これで長年の目的が達成される……かと思いきや、それはクローバーの大嘘だった。
なんの恨みがあるのか、クローバーはキースをだまくらかして指名手配犯に仕立て上げる。
入国初日に国を敵に回したキースが頼ったのは、人里離れた山岳地方にある便利屋『クズ工場』。
名前の通りろくでもない輩しかいない場所にてキースは住み込みで働き始める。
なぜクローバーはキースを陥れたのか?
その理由が明らかになるにつれて、キースの正体が明かされる。
従業員がおよそクズしかいない便利屋。
彼らは数ヶ月前、とある陰謀に巻き込まれた。
爆発事件にまで発展したそれのとばっちりで、彼らは警察組織に目をつけられる。
警察のトップたるその女は、ある秘密を抱えていた。
彼女の存在と秘密により、クズたちの思い思いの幸福が犯し、冒し、侵されていく。
オズワルド・ユジーヌの企みによって、全ては破綻した。
騙され、陥れられ、友人を殺され、同僚に死なれ、地位を横取りされ、プライドを傷つけられ。
刺し違えてでもオズを殺すと、クズ共は決意する。
そんな中、更なる火種を蒔こうとする自称・八方美人の男がひとり。
児戯の如き戦い、その果てにあるものは?